癒し飯
昔、ブラックな企業で朝も夜も無く働いていたことがある。
その頃は真夜中に仕事を終えて家族も寝静まっている家に帰るのが寂しくて、朝までやってるご飯屋さんによく行っていた。
仕事で心身共にダメージを受けた夜、行きつけの小さなイタリアンで牡蠣のグラタンを食べて泣いたことがある。
なんだか胃袋から辛い気持ちが浄化されるような感覚で
いい歳なのに、ご飯食べて泣くなんて自分でも信じられなかったけど・・・。
でも癒されたことには間違いない。
今はブラックとは縁を切り、自分の生活に追われている日々。
高齢の両親の夕飯を作り自宅に戻ると、子供たちもバイトや外出で不在。
我が家のことには気が向かず、ダラダラとしていると娘帰宅。
ご飯作る気が起きないとアピールしてみるも、スルーされる。
まぁそんなもんよね・・・とドライな親子関係に肩を落としつつゴロゴロダラダラから抜けられず。
娘はキッチンに移動するも、自分のダイエットメニュー(と、言っても納豆とか、めかぶとか調理するような程ではない)を鼻歌交じりに用意している雰囲気。
私は夜も更けてきたし、今日は夕飯抜きでもいいか・・・と諦めて間もなく
部屋の扉が開き
「これ、今夜の私のメニュー!食べます?」
と娘が小さなプレートを持ってきた。
意外と彩よく盛り付けられたお惣菜たちに思わず
「食べるぅ♪」と応えていた。
作り置き総菜込みだったけど、追加で作ってくれたお惣菜と食欲をそそるような盛り付けに感心。
が、すでにテッペン過ぎた深夜。
でも、なんだかあの日のカキグラタンを思い出し
娘からの癒し飯に感激し、
これは嬉しいご褒美だな~と心も胃袋もを満たされた幸せなひとときだった☆